安全余裕率とは

2025年2月1日 更新

1.安全余裕率とは?

安全余裕率とは、企業の売上高が損益分岐点をどれだけ上回っているかを示す指標です。つまり、現在の売上がどの程度まで減少しても赤字にならずに済むかを測るためのものです。

 

2.計算式

安全余裕率は、以下の計算式で求められます。


安全余裕率=(現在の売上高−損益分岐点売上高)×100/現在の売上高

 

または、


安全余裕率=安全余裕額/現在の売上高×100

※安全余裕額=現在の売上高−損益分岐点売上高

 

【具体例】

ある企業の売上とコストが以下の通りとします。


・ 現在の売上高:1,000万円

・ 損益分岐点売上高:800万円

 

この場合、安全余裕率は以下のように計算できます。

(1,000万円−800万円)/1,000万円×100=20%

つまり、この企業の売上が 20%減少しても赤字にはならない ということを示します。

 

3.安全余裕率の解釈

(1)安全余裕率が高い場合


企業は損益分岐点を大きく超えており、利益を十分に確保できています。

多少の売上減少があっても経営に影響を与えにくく、経営の安定性が高い状態です。

 

(2)安全余裕率が低い場合


売上が損益分岐点に近く、少しの売上減少で赤字に転落するリスクがあります。

経営の安定性が低く、市場環境の変化に弱いといえます。

 

4.安全余裕率の活用方法

(1)経営の安全性評価

安全余裕率が低すぎる場合、固定費削減や売上向上の対策を検討する必要があります。

 

(2)価格戦略の決定

値下げやプロモーションを行う際に、どの程度の価格引き下げが可能かを判断するのに役立ちます。

 

(3)景気変動への対応

景気悪化や競争激化の際、どの程度の売上減少まで耐えられるかを把握し、事前に対策を講じます。

 

5.まとめ

安全余裕率は、企業の売上が損益分岐点をどの程度上回っているかを示す指標です。

安全余裕率の計算式は、

「(現在の売上高 − 損益分岐点売上高)÷ 現在の売上高 × 100」

です。

数値が高いほど経営の安定性が高く、逆に、低い場合は経営リスクが大きくなります。

経営戦略、価格決定、リスク管理に活用することができる有用な指標です。


この指標を活用して、企業の安定した経営を目指しましょう。

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