非居住者から不動産売却を購入(非居住者が日本国内にある不動産を売却)した場合の税金について
2025年8月5日 更新
非居住者又は外国法人から日本国内にある不動産を購入した場合には、原則として、不動産の購入者は、売買代金の支払いの際、支払金額の10.21%相当額を源泉徴収し、その対価の支払をした翌月10日までに税務署に支払う義務があります。
※手付金や中間金であっても、それが不動産の譲渡対価に充てられるものである場合は、それぞれの支払時に源泉徴収する必要があります。
非居住者とは
非居住者とは、「居住者」以外の個人を指して言います。
「居住者」とは、住所が国内にあるか、現在まで引き続き1年以上国内に「居所」がある個人のことを言います。
居所とは、生活の本拠とまでは言えないものの、現に住んでいる場所のことです。
(なお、居住者のうち、国内に永住する意思がなく、国内に住所や居所がある期間が過去10年のうち5年以内の人を「非永住者」と言って区別しており、課税関係も若干異なります。しかし、非永住者は非居住者ではないので、本件とは関わりがありません。)
非居住者から不動産売却を購入した場合
(1)購入者側が原則として代金の10.21%に相当する額を源泉徴収します
非居住者や外国法人が所有する日本国内にある不動産の売却による所得は、国内源泉所得に該当し、日本で課税されることとなっています。
売買の際には代金を支払う際に、購入者側が原則として譲渡対価の10.21%(所得税10パーセント、復興特別所得税0.21パーセント)に相当する額を源泉徴収しなければいけません。
ただし、その譲渡対価が1億円以下で、その土地等を購入した人が自己またはその親族の居住用に購入した場合は、源泉徴収されません。
国税庁参考サイト
(2)非居住者の方々は、源泉徴収を受けた後に、確定申告により適正な税金の納付をおこないます
非居住者や外国法人が所有する日本国内にある不動産の売却による所得は、国内源泉所得に該当し、日本で課税されることとなっています。つまり、非居住者の方が国内の不動産を売却すると、その売却益には譲渡所得税が課税されます。譲渡所得の金額の計算方法は、居住者の場合と同様です。
国内の不動産を売却して売却益を得られた場合には、確定申告が必要です。
そのため、非居住者である個人は、売却の翌年3月15日までに所得税の確定申告書を行う必要があります。また、外国法人であればその外国法人の決算期末日から2か月以内に法人税の申告を行う必要が生じます。
なお、非居住者が国内にある不動産を売却して受け取る譲渡対価からは、原則として、10.21パーセントの税率で源泉徴収されますが、この源泉徴収税額の還付を受けられる場合もあるため、売却益がない場合であっても、確定申告を行うことをおすすめします。
(3)譲渡所得の金額の計算方法は、居住者の場合と同様
譲渡所得の金額の計算方法は、居住者の場合と同様です。不動産の保有期間の長期・短期の区分により税率が異なるほか、3,000万円控除の適用もあります。
(4)手続きは専門家に
通常の不動産売却では、住民票などが必要ですが、非居住者は日本に住所がないため、これらの書類が不要です。
代わりに、異なる手続きや書類が必要です。
したがって、非居住者が自身で売却手続きをおこなうのは困難なため、通常は司法書士などの法律の専門家に依頼することをおすすめします。
司法書士に依頼すれば、売却後の登記手続きの代行まで依頼できるため、手続きをスムーズにおこなえます。
また、税務上の扱いや必要な手続きが異なるため、確定申告に当たっては、税理士のアドバイスを受けることをおすすめします。